「天竜区版広報はままつ」より「瀬尻ぶか凧保存会」会長宮澤宗男さん談
江戸時代からの伝統を今に
「小さいころ、おじいさんに凧(たこ)を作ってもらって、よく揚げてたなぁ」と宮澤さん。 この地区には、150年ぐらい前から節句お祝いに凧を揚げる伝統があり、6月になると必ずどこかの家で凧が揚がりました。
「たくさん揚がった時で100個ぐらい揚がったと、お年寄りから聞きました。凧が揚がると木などに縛っておいて凧を見ながら畑仕事をしていたそうですよ。」
昔よく遊んだ凧。いつか自分もぶか凧を作りたいという思いから、地区の人たちと昭和53年に「瀬尻ぶか凧保存会」を結成しました。
ぶか凧の魅力と難しさ
ぶか凧は、横長の四角形で骨が4本、上下に付いた糸目が2本。尾っぽが無く、凧の頭に弓のような形をした「うなり」が付き、音鳴りが特徴です。
宮澤さんたちは、凧の骨組の竹は取る時期をみて大きさに合った竹を選び乾燥をさせて、ひもでしばり、凧の形にしていきます。紙は和紙のほか破れないように特殊なものが使われています。「普通は畳2帖ぐらいからで、一番大きいものでは、20帖ぐらいのぶか凧を作ったことがあるね。2本の糸目を付けて、バランスをとるのが難しいんだよ」
今では、宮澤さんたち保存会の作るぶか凧のうわさを聞きつけて、全国の凧揚げ大会から招待状が届くようになりました。
風は天竜川が教えてくれる
山の中腹あたりにある寺尾地区。眼下には、雄大な天竜川が広がっています。
「山の斜面だから、凧揚げに走れるところなどないからね。茶園のあいだ間に人が入ってみんなで順繰りに引っ張り揚げるんだよ」
平地で揚げる凧と違い、瀬尻のぶか凧は走らず、揚げる珍しいものです。
5、6月になると南風の一定した風が天竜川を登り、山の斜面を吹き上がってきます。「天竜川を見ていて、風で白く波が立ってくるのを待つんだよ」 ぶか凧を揚げるタイミングは、天竜川が教えてくれます。
みんなが帰ってくる
「ここから出て行った人でも凧揚げを楽しみに帰ってきてくれます」と宮澤さん。
節句の日には、凧揚げのほかに、酒を飲みながらみんなで風を待つ楽しみがあります。「ぶか凧を中心に瀬尻地区が一つにまとまるといいですね。そして、たくさんの祝い凧を揚げたいね。若い人が住んで子どもがたくさん生まれてくれたらいいのに」と毎年、凧を作り続けてきた宮澤さん。その願いを乗せた凧は、大空へ舞い揚がります。
国道152号から分かれ、山道を4kmちかく上ると寺尾の集落に到着!
天竜川(秋葉湖)がはるか下に見えます
赤丸 が秋葉湖から見た寺尾地区 国道から300m以上上ります
凧揚げ会場 平らな部分はここだけです
公衆トイレも備わっています
準備のできている 25? 36枚? の凧
100枚(手前)と 169枚(奥)の 凧と骨組み
同じくクジラ(うなり)の台
9枚?か 16枚? のミニ凧
大凧用の糸というかロープ
100枚の凧の組み立てです!
縦の骨は2枚
下の糸目
クジラの台
最後にクジラを付けて終わり
100枚凧 30分くらいで完成!
ようやく風が少し出たので中くらいの凧を揚げます!
まずは糸目を付けて
頭に反りを入れて
風に合わせて、ここでタコを放します
ソレッ !
糸を持つ人は一段下の道路で 後は斜面の茶畑 前にも後にも走ることは出来ません
よく揚がったんですが、 しばらくして風が無くなり ダウン!
中くらいの凧が調子よく揚がったので100枚凧の準備を始めました
糸目の先を持った人はさらに下の道路まで曳いて行きます
しかし、風が弱くなってしまい、準備だけで終わったのではないかと思います。 残念ですが、時間切れで引き上げです。